【大レポ】電子物性①

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始めに

今日は、第1回の電子物性のレポートを掲載します。

レポート

金属と半導体のエネルギーバンドを図示し、比較して詳細に述べなさい[1][2][3]

金属、半導体を比較していく。まず、図1に金属と半導体のエネルギーバンド、図2に金属の電位の箱を図示する。金属と半導体は、電子で満たされると上の許容帯に移動する許容帯の充満帯から始まりその次に禁制帯があることは一致している。しかし、次の許容帯で金属と半導体で違いが生まれる。金属では、許容帯の一部分が最高のエネルギー準位であるフェルミ順位まで満たされる伝導帯がある。対して、半導体では充満帯になっている。金属は、この許容帯の一部分だけが電子で満たされていて、上の準位が空帯の時には、フェルミ準位の近くにある電子は、電界からエネルギーを受け取って、一定方向に次々にすぐに上の準位あがる。また、図2からも電位差を超えることができれば上の準位に上がることがわかる。これによって、金属には電流が流れる。半導体の時を考える。半導体の場合は、3種類あり、真性半導体、n型の不純物半導体、p型の不純物半導体の場合である。3つに共通して、半導体は、狭い禁止帯に空帯に行くのを阻まれている。真性半導体の場合は、熱エネルギーが大きくなる現象が起きると、電子の動きが活発になり、狭い禁止帯を超え、上の許容帯に移動できる。空帯には、空いた準位が残っているので、電子が電界によって加速され、電流が流れるようになる。n型の不純物半導体の時を考える。5価の不純物において、不純物原子は、共有結合をつくるために4個の価電子を使う時に、電子が1個余る。この電子が、電界によってドナー準位に束縛されるが、エネルギーを加えられるとすぐに導電帯に移動する。そうすることで電流が流れる。p型の不純物半導体の時を考える。3価の不純物において、不純物原子は、共有結合をつくるために正孔が1個できる。このため、充満帯から電子を受け取るアクセプタ準位ができる。アクセプタがイオン化すると、正孔が、充満帯にできる。エネルギーを加えられることによって、導電帯に正孔が増えることによって電流が流れる。これらから、金属と半導体の違いを考える。金属と半導体は、電子で満たされると上の許容帯に移動する許容帯の充満帯から始まりその次に禁制帯があることは一致している。しかし、金属は、許容帯の一部が導電帯になり、そのうえに禁止帯、空帯となっている。半導体は、充満帯の上に狭い禁止帯があり空帯がある。また、半導体の場合は、3つの場合があり、エネルギーで禁止帯をこえる真性半導体、ドナー準位があり、電子の移動をするn型の不純物半導体、アクセプト準位があり、正孔の移動をするp型の不純物半導体があるが、金属の場合は1つしかない。以上のような違いが、半導体と金属のエネルギーバンドにある。

図1 半導体と金属のエネルギーバンド図
図2 金属の電位の箱

pn接合の電位障壁の発生メカニズムについて、図を用いて説明しなさい[1][2]

p-n接合の電位障壁の発生メカニズムについて説明する。まずp-n接合は、同一結晶内である面を境として、一方をp型、他方がn型というようになるように不純物の密度を調整したもののことをいう。このp-n接合の際のエネルギーバンド図は、図1(c)(d)のn型半導体とp型半導体を繋げることで表すことができる。この熱平衡状態のp-n接合のキャリアの状態変化図を図4に示す。まず、p型とn型の領域を見る。図4(a)を見ると、p型の領域には、多くの正孔と少ない電子又はアクセプタが存在することがわかる。対して、n型の領域には、多くの電子と少ない正孔又はドナーが存在していることがわかる。以上のことから、p型には、正孔の密度が大きく、n型には電子の密度が大きいことがわかる。次にこれらが接合された場合を考える。p-n接合されたときに、境界面では、電子は、電子の密度が小さいp型の領域に、正孔は、正孔の密度が小さいn型の領域に拡散現象によって広がる。それによって、p型領域では、正の性質をもつ正孔を失ってマイナスの電子をもらってマイナスに帯電する。また、n型領域では、負の性質をもつ電子を失って正の正孔をもらうことでプラスに帯電する。これによって、n型領域からp型領域に電界が生じる。この電界は、キャリアの拡散を妨げる作用をするので、この電界とキャリアの拡散現象が釣り合った時に熱平衡状態となる。この時に生じる電位差は、電位障壁という。その電位差を熱平衡状態のp-n接合のエネルギーバンド図を図4に示す。図4では、電位障壁を見ることができる。この図4は、フェルミ準位が一致することで電位障壁が見ることができる。以上のように、pn接合の電位障壁の発生メカニズムは、p型への電子の拡散とn型への正孔の拡散を妨げる電位が一致する熱平衡状態の時に電位障壁である電位差が生じる。これが、電位障壁のメカニズムである。

図3 pn接合のキャリアの状態の変化
図4 熱平衡状態のpn接合のエネルギーバンド

参考文献

[1]下村武:電子物性の基礎と応用,p82-134,コロナ社,2018年,51版.

[2]青木昌治:電子物性工学,p275-333,コロナ社,1989年,25版.

[3]田中哲郎:物性工学の基礎,p141-176朝倉書店,1975年,11版.

終わりに

参考になれば幸いです。

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