はじめに
電子物性基礎①のレポートを掲載します。
注意
図が手書きなので汚いです。
レポート
電子の状態を表す量子数を4つ挙げ、それぞれについて、図、式を用いて説明せよ。
電子の状態を示す量子数は、副量子数、主量子数、磁気量子数、スピン量子数の4つに分けられ、それぞれl,n,m,sの文字として表される。まずは、副量子数と主量数について説明する。バルマ系列の分解度を上げたらさらに、微細構造があることがわかった。ボーアの水素原子理論でスペクトルの微細構造を考えるために、ボーアの水素原子における円形の量子化された円形軌道を細長い円形軌道に拡張した。この時に太陽系の運動を類推して、原子核の位置が焦点に来ると考えた。そして、長軸をa、短軸をbとおくとき、長円は円を1方向縮小させたものと考えられるので、ボーア半径をr1とすると、長軸は、a=n2r1 ただしn=1,2,3… として表すことができる。短軸は、長円を(l+1)/nに縮小したものと考えられるので、短軸は、

ただし、l=0,1,2,…,(n-1) として表すことができる。この長円運動の長軸と短軸の図を図1で示す。この図1のような長軸運動をする際の電子の状態を示すのは、副量子数l,と主量子数nであると考えることができる。次に、磁気量子数について説明する。。この磁気量子数は、外部磁界が発生した時に原子が、ある特定の都合の良い方向に対して傾きを表すために用いる。しかし、この長円軌道面の傾きは任意の方向を取ることができないので、量子数mで量子化したのが磁気量子数である。この磁気量子数によって、図2のようなl=2の時の長円軌道面の傾きを表すために用いられることがわかる。次にスピン量子数について説明をする。この量子数は、スペクトルの微細構造をさらに分析すると、1本ではなく近接している2本のスペクトルで分けられていることがわかった。太陽系で地球が公転しながらも自転していることを考えて、電子が、自転しているのではないかと考えられる。これによって、電子が右回りと左回りに回るときに自転する軸方向によってエネルギーにわずかな差が生まれることが考えられるので、これと近接する2本のスペクトルに対応して考えるとき、2値を取る量子数sで量子化したのが、スピン量子数である。この電子のスピンを示したのを図3に示す。この図3からは、自転の方向によってエネルギーに差が出ていることがわかる。次に、この量子数の間にはどんな関係があるかまとめると、

というように表すことができ、この4つの量子数が電子の状態を表す。



化学結合の種類を4つ挙げ、それぞれについて具体例を挙げ、図などを用いて説明せよ。
化学結合には、イオン結合、共有結合、金属結合、水素結合がある。まずは、イオン結合を、ナトリウム原子と塩素原子を用いて考える。ナトリウム原子は、1個の原子を塩素原子に与えて、安定な不活性ガスの電子構造を持つ正と負のイオンであるNa+,Cl–になって、互いに静電気的なクーロンの法則に従いお互いに引き合うことでNaClの分子を作る。しかし、イオン間の距離が互いの電子雲の球が接する距離までまで近づくと、イオン間に反発力が働き止まってしまう。この原子間距離による反発力や引力を示す図を図4に示す。図4によると、反発力が最低の値の時に、ナトリウムと塩素の電子雲の半径の和に相当することがわかる。このように反発力が生まれても、原子同士が引きあう力が大きい結合をイオン結合という。次に、共有結合について説明する。この結合は、波動力学によって説明が可能になる結合である。2個の水素原子で考えてみると、各原子が電子を1個ずつ出し合って、安定なヘリウム原子のような電子構造になることがわかる。この状態になるときには、最初は引力に引き寄せられているが、互いの電子雲が重なり合うほどに反発力が生まれていき、最終的には、引力より反発力の方が大きくなる。このような原子間の位置エネルギーが大きくが一番小さくなる時に、安定な原子間距離と考えられる。しかし、イオン結合のように、原子と原子の接合部分の電荷密度が小さくなく、大きいので、スピンとパウリの排他的原理を考慮して考える必要がある。そうすると、2つの水素原子が同じ方向のスピンをもつときに、ヘリウムのような閉殻構造を持つことができることがわかる。このような原子間距離とスピンの方向によって安定な状態にある結合を共有結合という。次に金属結合について説明する。金属には、銅や銀、金、ナトリウムなどが存在する。ナトリウムを用いて考えると、ナトリウムは1価の金属原子である。その原子が結晶を作る時、ナトリウムの1個の価電子は、束縛力が小さいため、すべての原子群に共有される自由電子として自由に動くことができる。このような、自由電子を持つ結合を、金属結合という。この結合を図5(a)に示す。次に、水素結合について説明する。水素原子が、1個の電子を放出して陽イオンとなり、フッ素、酸素、窒素などの電気陰性度の大きな陰イオンとのイオン結合によって、HF,H2O,NH3分子が生成する。生成した分子中の水素イオンと近接する分子の陰イオンとの間に弱い静電気的な結合力が働くような結合を水素結合という。これは、イオン的なクーロン力で結合しているために、水素原子は他の原子に電子を与えて、裸の原子核のようにふるまい、2個のマイナスイオンが引き合うという形になるので電気陰性度の大きな陰イオンに引き合って結合される。この結合を図5の(b)に示す。


最後に
参考になれば幸いです。
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