始めに
大学で学んだ全波整流回路と半波整流回路のリップル率の計算方法に紹介します。
リップル率とは
リップル率①とは、入力された波と整流された波が接触する最大と最小の値の平均値をとったものである。リップル率をγとすると、

と以上のような計算式で表すことができる。
※リップル率の実効値は、出力電圧の実効値の交流成分なので注意が必要である。
リップル率を求めるには
リップル率を求めるには、上記の計算式とそれぞれ実効値と平均値を求める必要がある。これらの値を周期と波形の最大値で積分を行って、代入することで計算することができる。
以上のことから、リップル率を求める方法がわかったので、これから全波整流回路と半波整流回路のリップル率を求めていく。
半波整流回路
まずは、図1に半波整流回路の予想図を図1として示す。

リップル率γは、

と表せられるのでまずは、出力電圧の平均値 V1 を求めていく。

次に、出力電圧の実効値 V2 を求める。

次に、実効値の交流成分 V3 を求める。
直流成分の実効値は、変動がない出力電圧の平均値と同じと考えられる。これらの関係を表すと、

と表すことができるので、交流成分の実効値を求めると、
(V1)^2+(V2)^2=(V3)^2より


従って、半波整流回路のリップル率は、

全波整流回路
まずは、図2に全波整流回路の予想図を示す。

リップル率γは、半波整流の時と同じなので
出力電圧の平均値 V1 を求める。

次に、出力電圧の実効値 V2 を求める。

半波整流回路と同様に、実効値の交流成分 V3 を求める。

従って、全波整流回路のリップル率は、

このことから、全波整流回路のリップル率は、48.3[%]である。
まとめ
半波整流回路のリップル率 121[%]
全波整流回路のリップル率 48.3[%]
最後に
上記の値は、全波整流回路と半波整流回路のリップル率の理論値である。実際に実験をやってみると値が近くなることがわかる。しかし、コンデンサ入力形平滑回路等の回路になってしまうと、リップル率を求めるのには複雑な計算が必要なので根気がある人は挑戦してみて欲しい。(筆者は、複雑な回路のリップル率は求められませんでした。)
①入力された波と整流された波が接触する最大と最小の値の差
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